Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
高桑 雄二*; 小川 修一*; 吉越 章隆
放射光, 35(3), p.158 - 171, 2022/05
放射光を用いた大気圧光電子分光(Ambient Pressure X-ray Photoelectron Spectroscopy: APXPS)による表面反応観察は2005年頃より急速に普及し、触媒などの固相/気相界面、電池などの固相/液相界面、イオン液体などの気相/液相界面の実用的研究分野で広範囲に利用されている。本解説ではAPXPS開発の黎明期、Si気相成長とSi酸化反応キネティクスのリアルタイム観察、APXPSの課題と今後の展望について述べた。
垣内 拓大*; 的場 友希*; 小山 大輔*; 山本 優貴*; 吉越 章隆
Langmuir, 38(8), p.2642 - 2650, 2022/03
被引用回数:1 パーセンタイル:14.86(Chemistry, Multidisciplinary)Hf薄膜を形成したSi(111)基板の界面および表面の酸化プロセスを超音速酸素分子ビーム(SOMB)と放射光光電子分光法により研究した。酸化は最表面のHf層から始まり、化学量論的なHfOを生成する。2.2eVのSOMBを照射した場合、界面のHfシリサイドが酸化され、HfO/Si界面近傍にHf-O-Siが生成した。Si基板で酸化が起こり、SiO化合物が生成される。HfO層の下にあるSiO/Si界面領域からSi原子が放出され、歪んだSi層に発生した応力を解放する。放出されたSi原子は、HfOを通過して入射するOガスと反応する。
小川 修一*; 多賀 稜*; 吉越 章隆; 高桑 雄二*
Journal of Vacuum Science and Technology A, 39(4), p.043207_1 - 043207_9, 2021/07
被引用回数:1 パーセンタイル:7.86(Materials Science, Coatings & Films)ニッケル(Ni)は、一酸化窒素分解やアンモニア生成の触媒として使用されているが、酸化されやすく、失活しやすいという特徴がある。酸化したNiの還元過程を明らかにすることは、Ni触媒のより効率的な利用を促進するために不可欠である。本研究では、その場で時間分解光電子分光法を用いて還元過程を調べた。我々は、2段階の還元反応モデルを提案する。第1段階の律速過程は酸素原子の表面析出であり、第2段階の律速過程はH分子の解離である。
角谷 正友*; 隅田 真人*; 浅井 祐哉*; 田村 亮*; 上殿 明良*; 吉越 章隆
Journal of Physical Chemistry C, 124(46), p.25282 - 25290, 2020/11
被引用回数:10 パーセンタイル:40.15(Chemistry, Physical)O分子ビームによるGaN表面[極性Ga面(+c), N面(-c)および無極性(100)()面]の初期酸化をリアルタイム放射光X線光電子分光法およびDFT分子動力学計算によって調べた。三重項Oが+c面のブリッジ位置において解離または化学吸着し、N終端-c面では、O分子は解離化学吸着のみであることが分かった。面では、Oの解離吸着が支配的であるが、極性表面に吸着したO分子の結合長および角度が異なることが分かった。スピンと極性を考慮した計算モデルが金属酸化物とGaNのデバイス界面の理解に有用であることが分かった。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
真空, 45(3), p.204 - 207, 2002/03
超音速分子線技術を用いることにより酸素分子の並進エネルギーを制御した状態で、Si(001)-12表面の酸化状態(サブ・オキサイド)の時間変化を高分解能放射光を用いた光電子分光法によって初めてリアルタイムに観察した。実験は、SPring-8の軟X線ビームライン(BL23SU)に設置した表面反応分析装置(SUREAC2000)で行った。並進エネルギーの表面垂直成分が2.9eVの酸素分子線を室温でSi(001)-21表面に照射した時の分子線照射量によるSi-2p光電子スペクトルの変化を調べた。約40秒と極めて短時間で高分解能Si-2p光電子スペクトルが測定でき、各酸化状態に対応するサテライト・ピークが明瞭に観測された。分子線照射量が増加するにつれて各酸化状態が変化し、そのピーク位置は変化しないことが明らかとなった。光電子スペクトルから求めた酸化膜厚と各酸化状態の分子線照射に伴う変化から以下のことが明らかとなった。(1)分子線照射の初期段階(34.4L)においては、Si,Si及びSiの急激な増加が観測されるものの、Siは観測されない。そのときの酸化膜厚は、0.30nmであった。(2)Siが徐々に増加し、最終的に0.57nmに相当する酸化膜厚まで緩やかに増加した。並進エネルギーを2.9eVとすることにより通常の酸素ガスの吸着と異なり、室温において0.57nmの酸化膜を形成できることがわかった。Siの増加に対応して膜厚の緩やかな増加が観測された。(3)Siが増加するにつれて、Si,Si及びSiが減少するが、特にSiが急激に減少した。この結果、Siが主にSiが変化したものと考えられる。
吉越 章隆; 岡田 隆太; 寺岡 有殿; 岩井 優太郎*; 山田 洋一*; 佐々木 正洋*
no journal, ,
Si(100)表面の酸素分子による酸化の基礎的理解は、Si-MOSFETのゲート酸化膜を形成するうえで重要である。酸化反応素過程のうち、解離吸着前の前駆的吸着状態(プレカーサー)の存在の研究は、吸着過程の理解に極めて重要となる。Si(100)-21表面の室温酸化における分子状吸着状態の酸化の進行に伴う変化を放射光リアルタイム光電子分光によって観察した結果を報告する。
吉越 章隆; 岡田 隆太; 寺岡 有殿; 山田 洋一*; 佐々木 正洋*
no journal, ,
Geはキャリアー移動度が優れることから次世代電子材料として注目されている。本会議では、OガスによってGe(100)-21表面に室温形成される酸化物とその酸素分子の入射エネルギーによる違いを放射光光電子分光によって研究した結果を報告する。飽和吸着量がモノレイヤー以下であること、Siと大きく異なり酸化物の酸化数が最大で+2であることが分かった。入射エネルギーの増加に伴い、酸素吸着量の増加とともにGe成分の増加が観測された。これらの知見はサブモノレイヤーのGe酸化物を精密に形成するうえで有用である。
Tang, J.*; 小川 修一*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 高桑 雄二*
no journal, ,
Si基板上のSiO層の熱分解は不均一なボイド核形成とその後に起きる2D形状の拡大によって進行することが知られている。しかし、ボイド核形成のメカニズムは未だに未知である。本研究では、SPring-8の放射光を使ったX線光電子分光によるリアルタイム観察によって酸化膜および酸化状態と同時に界面歪の情報を調べ、SiO/Si(001)およびSiO/Si(111)の熱分解の速度論的側面を明らかにした。
吉越 章隆
no journal, ,
本講演では放射光を励起光源に利用したリアルタイム光電子分光によって明らかとなったシリコン単結晶表面酸化反応の研究を中心に紹介し、ナノテクノロジー開発における表面化学研究の重要性と将来展望を議論する。
Tang, J.*; 小川 修一*; 吉越 章隆; 石塚 眞治*; 高桑 雄二*
no journal, ,
界面酸化速度(Rint), 酸化状態(Si, Si, Si, Si), 酸化誘起歪(Si, Si)の大きさを酸化中同時モニターするために、O圧力(PO)に依存したOSiO/Si界面でのO反応キネティクスをSPring-8のBL23SUにおいてリアルタイムX線光電子分光を使って調べた。表面酸化後、POを増やすと非線形(Rintは(PO))な振る舞いをした(ここでnはSi(111)およびSi(001)基板に対して概ね0.5)。結果は酸化誘起歪によって生成する欠陥がSiO/Si界面でのOの活性な解離吸着サイトであるという酸化モデルによって解釈できる。さらに、表面酸化中にPOを増やすとSiとSiが界面参加開始時点で大きく変化することもわかった。
Tang, J.*; 小川 修一*; 吉越 章隆; 石塚 眞治*; 高桑 雄二*
no journal, ,
本研究では、Si(001)表面における急速熱酸化過程を調べるため、リアルタイムX線光電子分光法で熱誘起歪み、化学結合状態と酸化速度を同時に観察した。500Cから300Cまでの急冷却では、急昇温と同様にSiO/Si(001)界面での酸化速度が大きくなっていることが明確に示されている。これは界面歪みによってSi原子が放出され、放出Si原子やSi原子が抜けた空孔はO分子との反応及びO解離吸着反応が化学的に非常に活性化なため、酸化反応を促進すると考えた。また、界面歪み(Si, Si)の変化における点欠陥発生を考慮したRTO反応モデルを提案した。
吉越 章隆; 多賀 稜*; 小川 修一*; 高桑 雄二*
no journal, ,
本会議では、長年その存在が確認できなかった分子状吸着酸素をSi(100)21表面酸化中に観測することに成功したことを報告する。放射光光電子分光測定を使って室温および-150Cの酸化条件で検証できた。
吉越 章隆
no journal, ,
放射光を使ったXPSは、半導体製造プロセスや触媒反応など表面化学反応のリアルタイム観察に強力な手法である。本シンポジウムでは、IV族半導体単結晶表面の酸化機構の研究を例として紹介し、SPring-8の軟X線ビームライン(BL23SU)の表面化学実験ステーションにおける研究活動および潜在的な利用研究への応用の可能性などを議論したい。
小川 修一*; 吉越 章隆; 石塚 眞治*; 高桑 雄二*
no journal, ,
本研究では、リアルタイム光電子分光を用いてSiO/Si界面酸化速度のO圧力依存性を調べた。実験はSPring-8 BL23SUの表面反応分析装置にて行った。O1s強度から3200秒で表面が飽和酸化することを見積もった。飽和後、O圧力を増加させると、界面酸化は促進された。酸化速度はO1s強度変化から求めた。界面酸化のO圧力依存性から圧力上昇が界面速度の上昇を引き起こすこと、そしてその速度が圧力の平方根に比例することを示した。
吉越 章隆; 津田 泰孝; 冨永 亜希; 坂本 徹哉; 小川 修一*; 高桑 雄二*
no journal, ,
Society5.0では、情報通信デバイスに対する小型,高性能,省電力化が必須である。シリコン(Si)をベースとした金属-酸化膜-半導体(MOS)トランジスタは中心的役割を担っているため、Si表面の酸化絶縁物の精密制御と理解は依然必要である。しかしながら、酸素分子による酸化は不明な部分が多い。我々は、Si(001)21表面室温酸化のO1s光電子スペクトルに分子状吸着酸素と考えられるサテライトピークが観察できることを発見した。そこで、入射酸素分子の並進エネルギーとの関係から酸化反応における役割をSPring-8の原子力機構専用BL23SUの表面実験ステーションを使った放射光リアルタイム光電子分光によって調べた。入射酸素分子の並進エネルギーが0.06eVの分子線照射中のp型Si(001)表面においても、O1s光電子スペクトルにSi-O-Siの酸素原子に由来するメインピークの4.45eV低結合エネルギー付近にサテライトピークを捉えることができた。酸化時間の進行に伴う信号強度の変化などから酸化反応における分子状吸着の役割を議論する予定である。
吉越 章隆; 津田 泰孝; 冨永 亜希; 坂本 徹哉; 小川 修一*; 高桑 雄二*
no journal, ,
酸素ガスによるSi表面の酸化現象を解明することは、先端的な金属-酸化膜-半導体デバイスを開発する上で重要である。われわれは、Si(001)21表面酸化においてメインピーク(Si-O-Si)の低結合エネルギー側にサテライトピークを検出することに成功し報告した。このピークは、分子状吸着した酸素に由来すると考えられている。本研究では、リアルタイム光電子分光法を用いて、この吸着種の入射酸素分子のエネルギー依存性を調べた。全ての実験は、SPring-8のBL23SUにある表面実験ステーション(SUREAC2000)で行った。サテライトピークが明瞭に観測された。この結果は、0.06eV条件でも解離前駆状態としての吸着酸素が存在することを示唆している。
吉越 章隆
no journal, ,
大型放射光施設(SPring-8)のJAEA専用軟X線ビームライン(BL23SU)に設置した表面反応実験ステーションにおいて長年進められてきた固体表面反応のリアルタイム光電子分光研究に関して講演する。半導体表面酸化研究を中心に装置および研究手法の概要を説明するとともに、金属などの他の反応系への応用を交えながら放射光を利用したリアルタイム光電子分光の有用性を紹介する。また、近年急速に注目されているマテリアルDX研究に向けた今後の展望についても触れる。
垣内 拓大*; 津田 泰孝; 吉越 章隆
no journal, ,
HfOは、Si半導体デバイスの高誘電率ゲート絶縁膜材料として注目を集めている。本研究では、約0.5、2.0MLの異なる量のHfが吸着したSi(111)上にOガス曝露(並進エネルギー:0.03eV)および超音速O分子線(並進エネルギー:0.39、2.2eV)によって酸化した試料のHf4f, Si2p, O1s光電子スペクトルで調べた。0.5MLの低被服率では、HfがSi(111)-77上のrest-atomやadatom上に吸着して特異な局所構造(hexagonal structure)を形成し、その周辺でのみ酸化が進行しHfシリケートまでとなる。一方、2.0MLでは、酸化反応が表面金属Hf層全域で速やかに進行するため、Hfシリケートまで生成すると考えられる。
角谷 正友*; 津田 泰孝; 隅田 真人*; 吉越 章隆
no journal, ,
高品質な金属-酸化膜-半導体(MOS)構造をGaNで実現するために、酸化過程を明らかにすることを目的として放射光X線光電子分光(XPS)を用いて、HO, O, NO, NOの各種酸化ガス暴露下でのGaN極性表面、m表面の酸化状態を調べた。熱力学的にはHOは酸化力が小さいにもかかわらず反応性が高いことが分かった。NOとNOは酸化力は高いが、酸素の吸着はほとんど起こらなかった。+c面では、OとHOの場合、2つの酸化状態が存在する。初期酸化ではO分子の物理吸着が支配的である。HO分子では、解離と分子状吸着が共存する。GaNのm面では化学吸着が支配的であり、安定なGa-O結合が形成される。これらの状態は、表面上の電子スピンとGaNの極性の両方を考慮した密度汎関数分子動力学計算によるシミュレーションで良く説明できた。